貴久庵の庭

こちらのお庭は、昭和51年に既に用意されていた沢山の庭石と客土材及び数本の樹木を使い作庭したものである。周囲は築地塀で囲まれ建物は大屋根の平屋造りの南棟に続いた主座敷のある2階建ての北棟の数寄屋造りである。まず門をくぐると玄関庭である。極めて狭い空間に入って左に進むと南庭があり石組と大刈込で明るい芝庭で野点を行える空間である。北山台杉とヤマボウシの間に組まれた四方仏蹲踞の方に進むと玄関と桂垣で区切られた東庭になる。

 

東庭は、東にある山を借景としコナラ、ソロの雑木林の中に枯滝を組み、枯流れ枯池の庭であり座敷前は伊勢ゴロタの延段を設けソロ、モミジ、アセビを建物近くに植え正面築山には黒松寄植、ドウダン刈込で苔地仕上げである。

所在地:山梨県甲府市

竣工:1994年

庭園設計:(有)東香園

作庭:(有)東香園


貴久庵

平成6年に京都より大工を招いて新設された茶室で松風楼写しの広間と不審菴写しの三畳台目の小間で北棟と繋がり玄関も備えて日々のお稽古の場所となっている。この露地には石橋を渡り広間前の雑木林の山裾に打った飛石を伝い腰掛待合を過ぎ内露地に入る。内露地は、在来の実生の赤松を移植しアラカシ、ヒサカキを植え地苔張りである。蹲踞は、礎石形の水鉢を草庵なので低く据え鉢明かりは織部の寄せ灯籠で味わいがある。この庭は、年月が立ち建物と庭が馴染み侘びた風情になってきている。